エディット・ピアフ〜愛の讃歌〜
乗り移って演技をすることってあるのでしょうか?

ピアフの魂を傍観しているような、彼女の行動や言動を見聞きしていた人々から見たピアフではなく、彼女の心の中にあった熱いものが表に吐き出されている感じというのか・・・それはもちろんマリオン・コティアールの演技力もあるけれど、そういうものを超えている感じがする映画。

この映画を創り上げた人達の、尊敬を込めて彼女を表現したいという思いや彼女に対する強い関心が、彼女自身と一体となって昇華したというか。
人の伝記としての類のフランス映画を観ると度々思うことは、その人の気配が感じられて、脚色していると感じるよりも、もしかするとより真実なのではと想像してしまうこと。

製作者の手腕と俳優の演技力と、ピアフ自身の想い、それら全てが重なってより広がって、だから私たちに何か伝わるものがある。そんな映画はやはり力強くて見応え充分です。

ピアフをより知りたくて観ても、ただ映画を見たくて観ても、どちらもたっぷりと堪能できる作品だと思う。



森田芳光が脚本・監督で小雪が主演の映画
『わたし出すわ』の試写会へ行ってきました。

帰郷した摩耶は友人の夢や希望を叶える為に次々と大金を差し出す・・・

テーマがお金ということで何か複雑な展開があっちゃったりするのかな〜、泥沼劇場はやだな〜、どう来るのかな〜、と期待するしないというより想像できなくて行方を知りたくて観に行ったけれど。

想像以上にシンプルで、でも2時間の間にあらゆる種類のお金に関する価値観を見せる仕組みになっていて、こちらに考える余裕をいい具合に与えてくれる映画。

人間によって作られたお金という社会的なツール、それによって振り回されたり見えないものが見えてきたり、そうやって自分の価値観を見直すにはわかりやすい媒体なのかもしれない。ドキュメンタリーでは無いけれど、時代の一部分をお金を通して伝えている珍しいタイプの感がありました。

たぶん誰もにとってどこかに自分のリアルがある映画。観終わった後に、おそらく監督の思惑どおり?自分の幸せの価値観を確認する作業をしていた気がする。
小説「悲しみよこんにちは」で有名な仏作家フランソワーズ・サガンの人生を描いた映画、
『Sagan〜悲しみよこんにちは〜』を観に行きました。

とても有名なので彼女の経歴などは端折りますが、
今まで私が正真正銘の作家だと純粋に思った唯一の人
その人柄が垣間見れるということでとても期待していた映画です。
私なりの感じたことをご紹介します。

映画そのものは凄く感動したとか泣いたとかは無かったのですが
観終わってからも暫く心に何かが響いていてそれが消えませんでした。
不器用だけれど真っ直ぐなサガンの人生のあり方について考えさせられて、なるべくその心情に近づいて感じていたくて、、、
すっかりその空間に浸って映画の中に取り残されたような感じ。。。

生涯彼女が小説のテーマにし続けた「愛と孤独」はまさに彼女の人生そのものだなと感じるととても切なくなるのですが、無意識にだとしてもそれを真摯に追求していた彼女に偉大さを感じました。
そして真の作家であった彼女は私なんかが想像できないような
究極の自由と孤独を味わったのだろうなと思い、かっこいいなと感じました。
幸か不幸かは他人が決められることではないし、外から見れば不幸に見えるかもしれないけれど、きっと両方を深く味わう感性があったからこそ本当の作家でいられたんだろうなと思います。

でも一般的にみれば寂しい最後な気がするので
やはり天才と不幸は紙一重なのでしょうか?

この映画を観て、サガンは「最後の本当の作家」であると強く感じました。
(個人的にとても好きな作家なのでかなり偏った感想になっているかも・・・)

そして映画は真実を誇張するような演出ではないので、逆にそれが現実味を増すことになっていて素晴らしいなと思いました。
だって波乱万丈や人と変わっていたとしたって、それを日常として生活していた人を表現するには役者さんはそれを自分の日常にしなければ出来ないと思うのでサガン役のシルヴィ・テステュさんにも感心しました。顔が本人にかなり似ているということもあるのだろうと思いますが。

公式HP↓
http://www.sagan-movie.com/index.html
台湾のホウ・シャオシェン監督のパリを舞台にした映画
1956年にアルベール・ラモリス監督が作った名作『赤い風船』へのオマージュとして捧げられた作品

『赤い風船』崇拝者の私的には・・・
完全に期待を裏切られて、逆にお見事!
どんな期待をしていたかと言われると具体的にはないけれど
そうくるとは思わなかったと正直驚いてしまった。

まず風船が主役と一緒にいつも登場していた『赤い風船』に反して
『レッドバルーン』の風船は、時々思い出したように現れる名脇役的な
立ち居地になっている

最初はこれではオマージュの意味が正直わからないな〜と思っていたけれど、考えてみればそもそもあの不朽の名作に立ち向かうなんて無理だし意味ないこと。
それよりも誰もが心の奥底にそっと大切にとっておいてあるような
そんな懐かしい子供のころの記憶がさり気なく映画の中に添えてある。

だから『レッドバルーン』での赤い風船は、子供だけに見える色鮮やかで自由な世界の象徴になっているのかなと思えてきた。
そう思うとこの映画での日常の現実的な部分は、懐古への引き立て役になっているのかもしれない。

観るほうにも自由にそれぞれの『赤い風船』をくれた気がする。
あの名作には色々な人の様々な思いがあるはず、だからこそ素直に監督自身の『赤い風船』を創りあげたのだろう。
監督のオマージュの気持ちと謙虚さを感じて心が暖かくなった。

いろんな監督のオマージュが観たい欲がでてきて
次はパリで生まれ育ったパリ在住の監督に撮ってもらいたいな〜
と熱望する


シニカルでコミカルな感動作

心に残った言葉はフランソワが「葬式に誰もこないっていうんだ」といった時にブリュノが言った「それが重要なの?」に重みを感じた。
いろいろ乗り越えてきた大人にしか重みを含まない言葉。

たぶん、普通に言うと何でもない言葉だけど、人物のキャラクターや人生背景や現状などを計画的なタイミングで作らないと重みが出せない。このセリフ、言った人が逆なら違和感なく流してたかな。

パトリス・ルコントは何でもないような心のヒダを表現するのが絶妙でそれを見つけるのが楽しみで作品を見ている気がする。
そしていつも愛おしくなるキャラクターに会わせてくれる。

  ←赤い風船をクリックしてみてね☆

公開中の映画「赤い風船」1956年フランスの映画監督アルベール・ラモリスのより創られた作品。著作権の問題で随分長い間封印されていた映画が復活しました。幸い一度だけ観る機会があり約10年前に初めて観たときの当時の感動を強く印象に残しています。

公開にちなみフランス蚤の市で見つけた、作品完成当時の雑誌「Paris MATCH」の掲載記事をご紹介します↓

【映写時間25分「赤い風船」は、厳しい世界規模の映画市場を征服しました。アメリカ・・・イギリス・・・。監督である35歳だったアルベール・ラモリスはおとぎ話映画の専門でした。のちに小さいロバの詩情伝記、カマルグ地方の野生の馬の小説「白い馬」でカンヌの短編映画部門の大きな賞を獲得しています。その彼の色彩あるれる最新作は、ある男の子と彼が見つけた風船との友情物語です。友情に嫉妬した少年達により、美しく赤い風船は破裂させられ彼らの友情を壊されてしまいますが・・・監督ラモリスは、彼の5歳半の息子パスカルに役を頼む前におよそ100人の子供たちからスターを探しました。少年の相手役として、わざわざゴムを2重にしてニスを塗った風船を25,000個も使用しました。】

CGを全く使っていないとは信じられない映像ももちろん見所ですが、何よりシンプルなのに、というよりシンプルだからこそ誰もが何かを思い出させられるような暖かい映画です。子供の頃に置いてきた純粋な自分とか、どこかに置いてきた、どこかに隠れていた夢などだと思います。この心暖まる不朽の名作と携わった方々には「ありがとう」と言わざるを得ないです。

あ、画像の赤い風船をクリックしてみて下さいね!
皆様の日々が色彩あるれる幸せでありますように!!!


自分自身との戦い・・・

青年達のファンタジー的アクション青春映画だと思っていたら、、、
そんな単純なものじゃなかった!
自分の中にある何かと葛藤して自分自身を模索して生きている人達の
真剣で真っ直ぐな映画だった

主要人物になる、キャラクターが全く違う4人の高校生がどこかで影響し合いながらそれぞれの葛藤に向き合い、少しずつ誰でもない自分を手に入れていく
そんなテーマでも楽しく面白くみせてくれる、でも突然激しく厳しくみせられてしまうような

観始めたときと観終わったときの自分の感情の違いに驚くほど
引き込まれあっという間に時間が過ぎた

どんな人でも真剣に自分自身と向き合っているんだと気づかされ
いつの間にか涙が止まらなくなっていた

人はたぶん最後までそれを繰り返して自分になっていくんだと思う
だからこの映画は若い人だけじゃなくていつまでもリアル
そうじゃない大人にはなりたくないと思った
(年齢的にはかなり大人だけど・・・)


フランスの小学校のドキュメンタリー映画

フランス中部オーベルニュ地方にある、3才から11才までの子供たちと1人の先生だけという分校のような小学校での日常を約半年にわたり撮ったドキュメンタリー映画。

自然の中で学ぶ生徒と、定年のため最後となるクラスを受け持つ先生の姿を自然なままで撮影したという感じです。ドラマチックな展開があったりそう仕向けるような流れではないので、それが逆にリアリティを誘っていて、一瞬で通り過ぎてしまう感動ではなく、ゆっくり、でも心に染み込んでいくような感動を味わえました。
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